道路の斜面などで土砂の崩壊を防ぐために構築する土木構造物を擁壁といいます。日本では山がちの国土に道路を建設する際に斜面を切り取らなければならないため、高速道路から林道まで、多くの場所で斜面に擁壁が設けられています。かつては石積みだった擁壁は、その多くがコンクリートに変わりました。もくさんのKMブロックは、フェンスや花壇だけでなく、道路擁壁にも使われています。ブロック材の間に砕石や土砂などの詰め込み材を入れた木製擁壁は、時間がたつにつれて周囲の自然となじんでいきます。山で育った木が山の斜面を守る木製擁壁は、自然を抑えるのではなく、自然と一体化していくことによって環境を守る土木資材です。

徳島県名西郡神山町

上勝町日々ヶ谷